感想「フェロートラベラーズ」

「フェロートラベラーズ」全8話

スパイものかな?となんとなく見始めたら全然違ってました。
どんな作品、と説明するのが難しいのですが、
歴史ロマンス・政治スリラー・クィアロマンス、あたりに分類されるみたいです。
そう、いわゆるLGBTのロマンス作品だったのです。
ドラマで長編なので、質の高いBL小説を読んだ後のような満足度がありました。

主人公は退役軍人で国務省職員の「ホーク」(サムネ左)と理想主義的な議会職員「ティム」(右)
偽装結婚しつつ、裏では派手に遊ぶホークと敬虔なクリスチャンで罪の意識に苦しみながらホークの魅力に抗えず落ちていくピュアな青年ティムの、切ないすれ違いはもちろん、
当時アメリカで起こっていたマッカーシズム(共産主義者や同性愛者が激しく弾圧されていた。)や黒人差別、反戦運動やエイズ問題などの政治的、社会的な問題に翻弄されていくLGBT当事者たちがよく描かれています。
1950~80年頃って、私が生まれるほんの少し前。親や祖父母の時代ですよね。
この50年でどんどん社会が変わったのだなあと思います。
とっても面白かったですが、結構過激なシーンが多いので耐性の無い方はご注意ください。

超個人的(腐女子的)な感想としては、仕事ができる風でいて精神は幼いホークは典型的攻めちゃん
弱いように見えて一本筋が通っていて、攻めの弱い部分を許容する余裕のあるティムは典型的受けちゃん
って組み合わせだったので解釈が完全一致って感じでした(なおリバあります)

ホークは結局成長できなかったね。いつだって環境や権力、自分の弱さに負けてしまう。
だから最後までカミングアウトもできないし、素直にティムと向き合えなかった。
時代や環境がそうさせなかったと考えることもできるけど、すぐ隣にずっと理想主義でゲイや黒人の人権について社会と戦っている人たちがいるんだからさぁ。かっこ悪いぜ。
と、最後まであまり好きになれない人物でした。

それにしてもこの作品、50年くらいの長い間くっついたり離れたりする2人を描いていて
時間軸があっちこっち飛ぶんですが、老いた2人の方が特殊メイクなんだよね?
すごい技術だなと感心していました。

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